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      自然に任せれば放ったらかしでも

      イチゴは出来る

      以下は、株式会社NAC星野農場長のブログ記事です。

       

      肥料も農薬も使わない自然農のイチゴから

      人間のワガママとそれを叶える為の代償を考えてみる

       

      『無農薬、無肥料、連作、植えっぱなしでも毎年できるイチゴ』

      ピースファーム1号地では新しく苗を購入することもなく2017年から毎年イチゴを収穫してたべています。
      ↓今の時期に採れるエンドウやパクチー、それに食べられる雑草と一緒の一枚

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      品種は『宝交早生(ほうこうわせ)』という古い品種で育成者権(タネや苗の著作権みたいなもの)もとっくに期限切れなので購入せずに増やしても、なんなら苗を販売してもOKな品種です。
      (新しい品種でやると種苗法に抵触する可能性があるので気を付けてね)

      イチゴといえば、無農薬栽培が非常に難しいとも言われる野菜の一つ。

      病気に罹ったり、害虫がついたり…特にアブラムシがよく付くと言われますが、
      ウチのイチゴの葉っぱには全くアブラムシついてません。

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      ウチのイチゴ達はビニールマルチも使っていないので雑草と一緒に生えてます。

      イチゴの葉っぱには一匹もアブラムシついてないけど、近くに生えてる雑草のカラスノエンドウにはびっしりとアブラムシが付いています↓

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      草の先端が黒っぽくなっているのは全てアブラムシです。

      このように、虫って野菜より雑草が好きな場合も多々あります。

       

      『試行錯誤の末に無農薬栽培に成功したイチゴ農家さんの話』

      無農薬でイチゴを栽培している珍しい農家さんに聞いた話で、
      肥料をたくさん入れていた時はとにかくアブラムシが来て大変だったけど、
      肥料あげ忘れたり、肥料切れしていたイチゴの株には全然アブラムシが付いていなかったり、
      アブラムシが集まって吸われまくった後に再生してきたイチゴの葉っぱにはアブラムシがつかなかった
      ということを目の当たりにして、肥料が虫を寄せる原因だったことに気づいたそうです。

      カラスノエンドウに虫がつくのはまた別の理由があるのかもしれないけど、
      無肥料栽培(自然農)のウチの畑では、野菜にはほとんどアブラムシつかずに雑草や弱ってきた野菜についたりします。

       

      『受粉作業も手出し無用。完全に虫任せできれいな形に。』

      草が生えていて、いろんな虫たちがたくさんいる自然農の畑では、放っておいてもしっかり受粉されて形のいいイチゴができます^ ^

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      前の記事で、受粉したところが膨らむという話を書いたように、タネが出来る部分が膨らみます。

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      なのでまんべんなく、しっかり受粉すればキレイなイチゴになります。
      花粉が付かなかったところは、膨らまないのでその部分が凹んだようになります↓

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      ↑先端が割れたようになってます。ちょっとだけつかなかったのかな?もっと分り易いやつだと片面が凹んでツブツブがぎゅっと集まったようになったりします。

       

      『きれいなイチゴの甘くない裏側』

      なので、出荷や販売するためにきれいな形のイチゴにするにはしっかりとした受粉が必要不可欠。

      ところが現代でイチゴの需要が最も高まるのは冬の12月(クリスマスケーキ需要、強し)
      また、ハウス栽培が主流になった現在ではイチゴの旬は1〜4月と言われたりしてますが、本来のイチゴの旬は5月です。

      12~4月という冬の時期にイチゴを作ろうとなると、ハウスの中にミツバチを放ったり、人間が手作業で受粉させないといけません。

      悲しいことに、イチゴって蜜がほとんど無いからハウス内に放たれたミツバチは餓死したり、ハウスの排気口に引っかかって死んじゃったりするそうです(イチゴ農家さんに聞いた話)

      そして、収量を増やしたり、何回も収穫する為に肥料を使うので薬も使わねばならなくなる。

      もっと甘く!
      もっとたくさん!
      もっと安く!
      冬でも夏でも食べたい!

      人間の贅沢やわがままを叶える為には不自然なことをしなければ出来ないことの一例かと思います。

       

      『ワガママを捨てればイチゴは自然に実る』

      これが、露地栽培で本来の旬である5月にだけ食べるようにすれば、そういった人間や虫たち、自然環境への負担をかなり減らすことができると思います。

      ウチの畑のように完全にノーガードのほったらかしだと、鳥や虫たちにイチゴを食べられたりもするけれど、それでも全体の6割くらいは食べられるやつを残してくれる。

      全体のうち、4〜5割はほぼ無傷できれいなイチゴが出来る。

      10実った内の半分も採れたら十分という気持ちでいれば、イチゴの無農薬栽培どころか無肥料でだって簡単にできちゃう。

      それを、『ぜーんぶ人間様のものだ!』『虫も鳥も食べちゃダメーーー!』
      ってなると、色々なことしなくちゃいけなくなる。

      他の生き物たちとシェアするくらいの気持ちでいると、

      『あ、残しておいてくれたんだね。ありがとう^ ^』

      という気持ちにもなる。(そういう気持ちでないとやってられない)

      そんな事を言うと、『経営的にはそんなことは言ってられないしできない』
      って言われるだろうし、生産して出荷するという売り方でいえばごもっとも。

      私のようなやり方だと、採れる量は半分になるし、採れる時期も1年の内2週間だけになる。

      でも、それって売り方の工夫次第では希少価値や付加価値にも出来る。

       

      『食べ放題じゃない『優しいイチゴ狩り』』

      ピースファームでのイチゴ狩りは、食べ放題じゃないんです。

      『数に限りがあるから参加者さんみんなが食べられるようにシェアしてください』

      そういう案内をして収穫して食べて頂いています。

      自然農のイチゴは、ただ甘いだけじゃなくて酸味も風味もしっかりしていて、1粒の食べ応えがしっかりあるので何十個も無理して食べなくて十分満足できるし、『みんなで分かち合う』という経験体験にもなると思います。これって、今の時代にこそとても重要な体験だと思うんです。

      ちなみにピースファーム(うちの畑の名称)の綴りはpiece(ひとかけら)の方ですが、敢えてカタカナ表記にしているのはpeace(平和)にも掛けているからです。

      争わず、独占せず、人も虫も草も動物とも平和に共存できたら良いなという願いも込めた名前なんです。
      (現実はなかなかそう上手くはいかないけどね。だからこその願いでもあります)

      今回はちょっといつもと違うテイストで記事を書いてみました。

      あまり小難しいことばかり書いてても読みにくいでしょうし、
      私自身、書くのにとても時間が掛ってしまいますので。。

      よかったらご意見やご感想頂けると嬉しいです!!

      それでままた次の記事で^^

      あとよかったら↓こちらの動画も見てみて下さい。

       

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      小麦栽培から考える 多様性の価値
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      肥料の効果がわかるタマネギの栽培実験結果
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